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マルクト王国脱出への道~時々出たり戻ったり 【ツァディー】④

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私たちはルキフェルに着いていき、向こうの山頂近くの白い建物に向かう


道中、無言で歩いていると、香しい微風に乗って声や音楽が徐々に聴こえてくる


思わず息を呑むほど美しい人々が、ある者は歩き、ある者は馬に乗り、

さらにある者は絹とビロードの輿に担がれて行列でやってくる


きらびやかな妖精の鼓笛隊と、光の輪の騎士たち、虹のような高貴な身分の殿方や婦人たちら、美しき者たちのご遊行 


彼らの最後列の者が近づいてきた


今度は、妖精の君主エーンガスが私たちにこう告げる


“我とともに呑み、我が民に加われよ。彼らを見て美しいと思わぬか。

汝らも、夢にさえ思わぬ若さと美しさを手に入れ、死すこともなければ老いることも病むことない、ただ愛し生きるために作られたる者となれよう。我には水晶と真珠の館あり。汝らもそこに我とともに暮らし、我が民と契り、して彼らに同じく我を主と認めよ。さあ呑むがよい”


彼は私たちに杯を差し出したまま待っている


呑めば、私たちも彼らのようになって永遠に生きられる


しかし永遠とはどれくらいの長さなのか

呑めば、創造主とつながっている自分の一部を

切り捨てなくてはならなくなる


ルキフェルを見るとまたもや彼は首を横に振っている


酒杯を断り、私たちは先へ進んでいく


――――――――――――――――――――――――――――

この酒杯は、永遠の命、若さ、美しさ、病気も苦しみもなく、

嫌なことは忘れて、ただ豊かで楽しく生きられるもの。


これは私たちの意識を眠らせてしまう。


意識が眠ったまま、心を何かに奪われ何かの奴隷のように生きるのだ。


このエーンガスたちのように“神聖なる火”を宿さずに、時間の経過さえ無意味となるただの「無」になってしまうのだ。


つまり、安定や安心に縛られて、


そこに留まるだけに時間を費やし、


人間の特別な持ち物である「創造力」を、


叶えたい夢や欲望に対して使わなければ、


この物質界に実在しているのに、実在していないのと同じことになる。



 
 
 

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