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マルクト王国脱出への道~時々出たり戻ったり 【ツァディー】⑤

インスタグラムにてUP中!


忘却の酒を携えた妖精族に別れを告げて、また山径を進む


聖歌が聴こえてきて、やっとあの白い建物に到着した


そこは小さな礼拝堂だった


大勢の招かれた人々が「聖杯の祝典」を祝う


中から白い衣装を身にまとった女性が聖杯を持ってこちらにやってきた


その聖杯は翡翠から創られた聖餐杯


とうとう私たちはその杯を受け取り、中の葡萄酒を呑むと、新たな力がみなぎってきた


女性はルキフェルの前に立つと、彼の顔を覗き込んで微笑み、彼もやつれた顔で微笑み返す


すると彼のフードが外されて、中心石を失った冠が露わになった


そして“黎明の子”ルキフェルは、人類のために用意されたこの聖餐杯に向かってひざまずく


人類にいまだ理解されない勤めとはいえ、彼も彼なりに奉仕する者なのだ


――――――――――――――――――――――――――――

神の望み通りに生きる。


この与えられた身体と能力を使ってとことん人生を生きる。


ルシファーは私たちに差し出された杯を呑むことを初めて止めなかった。


私たちは、エゴ意識を刺激され、本当は必要で無いものばかりを追いかけて生きる。


外側ばかりを意識して、自分の本当の欲望を見失って生きる。


ルシファーの冠、失った宝石は翡翠。


彼は“翡翠”がわからなくなってしまったのだ。かつては神に一番愛される大天使だったのに。


女性は誘惑せずに何も言わずに杯を差し出した、つまり飲む飲まないは自由選択。


私たちはこれを何度も何度も転生して繰り返してきたのだ。






 
 
 

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